北海道へ行こう!

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夜散歩のススメ —日本最北端稚内の夕陽と夜景—

先週、小樽の夜景を掲載させていただきましたが、おかげさまでたくさんの方からアクセスをいただきました。本当にありがとうございます。

—ロマンあふれる運河の街— 立春の小樽を行く③

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先々週よりお送りしてきた小樽シリーズですが、今回がいよいよ最終回です。昼間とはまた異なった表情を見せてくれるステキな時間を紹介します。

それに気をよくした訳ではありませんが(本当はよくした面が多々ありますが)、今週は最北の海鮮市場発祥の地、稚内の夜景をお伝えしたいと思います。最北の地での夜景は、どのような姿を見せてくれるのでしょうか?
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サロベツ原野、そして夕陽の沈む抜海から稚内へ

札幌から旭川に向かうJRは1日3往復。
まずは朝7時台に出発する「特急スーパー宗谷1号」。そして12時台に出発する「特急サロベツ」。最後が17時台に出発の「特急スーパー宗谷3号」となります。DSC2662

いずれの列車も、終着の稚内までは5時間以上の時間がかかるため、この3本の特急のうち雄大な夕焼けを見ることができるのは12時台に出発する「特急サロベツ」ということになります。

今回、サロベツ原野を超えて「抜海(ばっかい)」付近で日本海に沈む夕陽を見たいがために、お昼の12時に札幌駅から「特急サロベツ」に乗り込みました。「天塩中川(てしおなかがわ)」という停車駅を超えてローカルな宗谷本線を突き進み、さらには「幌延(ほろのべ)」の駅を超え、牛乳で有名な豊富(とよとみ)を過ぎるとそこは広大なサロベツ原野。さらに進んで、夕日の絶好スポット「抜海」が近づいてきます。ほら、だんだんと、車窓の向こうには沈みゆく夕陽が見えてきました。

ここまですでに5時間ほど列車に揺られているので、疲労もだんだんとたまってきています。
でも、そんな疲労を吹っ飛ばしてくれる夕焼けが待っていました。

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毎回かどうかは定かではありませんが、この日の「特急サロベツ」は、この絶好ポイントでなんと徐行運転をしてくれたのです。のんびりと走ってくれたおかげで素晴らしい夕陽をバッチリとカメラに収めることができました。でも、この日は残念ながら若干の雲がかかってしまっていました。晴れている日にはこの夕陽と共にシルエットとして浮かび上がる利尻富士(利尻島の象徴の山。標高1,721m。)が見えたハズなのに、、、

なんとも少々残念なことですが、こればかりは自然の気まぐれ。「またチャレンジしてよ」ということなのでしょう。

抜海を後にした特急サロベツは、ほどなく終着駅の稚内に車体を滑り込ませて行きます。

稚内の夜

稚内到着は、18時10分。
札幌から5時間40分の長旅です。「ウーン」とのびをしながら降り立った稚内の駅はもうすっかりと日が暮れていました。DSC2680稚内は以前の記事でもお伝えしましたが、2011年にリニューアルされたばかりの新しい駅舎。最果ての駅のイメージする光景とはいささか異なるモダンな建物は、複合施設を取り込んだ稚内の中核になるべく誕生しました。

駅の入るビルは「キタカラ」と名付けられ、バスターミナル、道の駅、みなとオアシスも併設されています。つまり、鉄道・バス・道路・港といった主要な交通機関がすべて網羅されているのです。鉄道、バス、道の駅、港という施設が4つ併設されているのは他に例がなく、この稚内が唯一の存在なのです。

この稚内駅も時代の流れと共に徐々に変化していきました。
昭和20年代には、ここから稚内港へと伸びる線路が何本も敷かれていましたが、現在ではそれは見る影もなく、終着駅にもかかわらず単線一本のみの駅となってしまっています。1日の発車列車は8本。そのうち3本は札幌行きの特急なのですから、いかにこの稚内駅が寂しくなってしまったかがわかると思います。

稚内周辺の商業施設は、駅周辺ではなく国道沿いに多く集中しています。それもどちらかというとおとなりの南稚内駅に近い部分となります。DSC2685繁華街、飲み屋さん街もこの南稚内駅周辺に広がっており、少し懐かしい夜の街を見ることができます。

昔からずっと続けてきた老舗のお寿司屋さんや、地元の方向けの食堂、そして飲み屋さん。決して洗練されている訳ではありませんが、そこには古き良き時代を感じることができます。

静かだけれどもそれがなんとも心地よい。
そんな気分にさせてくれる不思議な夜の光景なのです。私も思わず、1件のお寿司屋さんに入って一杯いただいてしまいました。とても暖かく、気さくなお寿司屋さん。なんか、お帰り、と言われているようでした。

もちろん、そういった古い街並みだけではなく、国道沿いには現代的な設備も整っています。
「稚内副港市場」と呼ばれる所には、数件のレストランや稚内の天然温泉の設備などがまとまっており、ココだけで楽しく時間を過ごすことができます。DSC2690稚内という場所は、ロシアに近いこともあってあちこちでロシアにちなんだものを見ることができます。それは文字であったり文化であったり、料理であったり。

歴史が育んできたロシアとの関係などを紐解いてみるのも、この稚内旅行では興味深いものがあったりします。ピロシキやボルシチなどの料理をいただきながら、そんな文献を開いてみるのも良いのではないでしょうか。「稚内副港市場」には、そんな歴史を学べるコーナーも併設されていて、ここに寄ってみるのも良いでしょう。
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稚内港の夜景

その「稚内副港市場」から裏にまわると、そこはもう稚内港。

夜は港に停泊した船が街路灯に照らされて静かな夜を演出してくれます。
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距離は若干ありますが、ここから稚内の駅の先まで続く港の夜景は、決して派手ではありませんが、のんびりと歩きながら眺めるにはちょうど良いのです。派手な夜景はそれはもちろんそれできれいであり、見応えもあるものですが、こうした静かな港の夜景も捨てがたい魅力があります。

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稚内のフェリーターミナルからは、向こうに見える新港町や新末広町の明かりが見え隠れしとてもいい雰囲気。何を考えるもなく、そこに30分くらいぼーっとしてしまうような、そんな雰囲気がそこにはありました。

ぐるっと港を歩いてくると、結構歩きごたえのある散歩コース。
夜に飲んだお酒や食事をこなすにはちょうどイイ感じです。

港の終点には、北防波堤ドームがライトアップされて鎮座していました。
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なんとも言えぬ圧巻の存在感を放っており、それは一種脅威を感じる程でもありました。

稚内付近を散策するにはJRの本数が少なく、有効活用できないのは少々残念ではありますが、稚内→南稚内をタクシーで移動しても1500円ちょっと。また歩けない距離ではない(2.4㎞、30分程度)ので、それはそれで面白そうではないですか?今回紹介の様に港周辺を歩いてくると、色々な景色・光景の変化があって意外と早く着いてしまう感覚です。

ただし、4月の半ばから5月にかけても稚内の夜は冷え込むことがありますので、散歩の際には服装にぜひ気をつかってくださいね。次週は、またまた夜シリーズ。

私たち最北の海鮮市場がある旭川の繁華街の様子をお伝えしたいと思います。そこで見たものとは???

来週もお楽しみに!!

★今日ご紹介の場所(ポイントをクリックすると場所が表示されます)

 

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