北海道へ行こう!

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後編・各駅停車でのんびり楽しむ初秋の道央旅行

さて、前回からお伝えしている初秋の道央のんびり旅行ですが、今回は東室蘭駅付近からの続きをお伝えします。

北海道の鉄道は、札幌近郊を除いて「ローカル線」がほとんどなのですが、今回お伝えする路線も例外ではありません。1時間に数本どころか、1日に数本という部分も少なくないため、乗り継ぎには慎重になります。1本乗り遅れると、その日の予定が終了、ということになってしまいます。計画は綿密に立てておいたほうがよいでしょう。

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では、さっそく続きのご紹介です。

モダンな東室蘭駅へ

前回、おいしいかにめしを食べた長万部(おしゃまんべ)駅から、次の目的地である東室蘭(ひがしむろらん)駅までは、直行の各駅停車が出ています。行程時間は1時間30分ほど。地元では「噴火湾」と呼ばれている内浦湾沿いにぐるっと列車は走ります。

この行程はとても車窓からの眺めがいいので、ぜひとも窓際の席を確保したいところです。海は進行方向に向かって右側。駅でお菓子や飲み物を買って乗り込んでも楽しそうです。

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前回の記事でも少しご案内しましたが、鉄道ファンには超有名な秘境駅の「小幌(こぼろ)」や、洞爺湖の近くの有珠山や昭和新山などの火山群、海にほど近い「北舟岡(きたふなおか)」の駅など見所はたくさんで、ダイナミックな風景が楽しめます。トンネルや、海岸線、そして間近に迫り来る山など、このあたりはとても変化に富んでおり、飽きることがありません。

さて、走行していると結構あっという間に終着は近づいてきます。
周りにビルや工場などの人工物が増え始め、吊り橋形状が美しい「白鳥大橋」が見えてくると東室蘭はもうすぐです。

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ここ東室蘭駅は道南でも大きな駅。特急もすべて停車して街の周りも賑わっています。商店街などの商業スペースがたくさんあって、この付近では1番大きな繁華街を作り出しています。駅もそれにあわせてリニューアルされていて、モダンな作りになっています。

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道央1日散歩きっぷを使用しているので、もちろん途中下車OK。改札の外にもでることができるので、次の列車までちょっとぶらぶらしてみるのも楽しいですね。旅行の醍醐味は、知らない土地を歩くこと、という方も多いでしょう。

夕暮れ近くの駅舎内はとても雰囲気がありました。

室蘭でのんびり歩き

さて、鉄鋼の街としても有名な室蘭へは、東室蘭の駅からすぐ。比較的本数もあるので、さほど待つことはなさそうです。

室蘭は、内浦湾の端っこにある絵鞆(えとも)半島にあります。
その地形を利用して、鉄鋼や造船が盛んでした。日本経済を支えてきたこの街も、近年ではちょっと衰退気味。静かではありますが、どこか寂しげな印象を与える街でもありました。

そんな室蘭でぜひ行っておきたいスポットといえば、水族館と白鳥大橋近辺の眺め、ということになります。白鳥大橋近辺からは、夜になると素晴らしい工場夜景が楽しめますし、水族館はこぢんまりとしていながら味のある展示が人気です。

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この室蘭水族館、規模こそ小さいのですが、アザラシやペンギンなどもいて意外と時間を忘れて楽しむことができます。海に近いこともあって、間近でカモメに遭遇したり、嬉しいサプライズも多いんです。

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水族館の敷地内には、観覧車(これも良い雰囲気だしているんです)や、コーヒーカップなどの遊園地施設もありますので、ご家族連れは時間を忘れて楽しめると思います。

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また、この室蘭水族館の周辺には、全国でも珍しい形(円形)をした絵鞆小学校(現在は廃校)があったり、

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室蘭港があったり、白鳥大橋の展望台があったりと見どころもたくさん。
列車の時間を気にしながら楽しむことにしましょう。

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夕陽のきれいなマリーナもありますよ。

時間を惜しみつつ帰路につく

食事をとったり散歩していたりすると、本当に時間はあっという間。

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しかも北海道は緯度が高いためか秋になってくると日が沈むのもとても早いんです。10月にもなると18時くらいにはもう真っ暗になってしまいます。道に気を付けながら室蘭駅を目指しましょう。

室蘭駅は、終着駅であり行き止まりの駅でもあります。ここから先に線路はなくすべての列車は折り返すことになります。そんなターミナル駅でありながら夜は早く、19時を超えるとなんと無人になってしまいます。モダンな駅舎に似合わない感じで夜はひっそりとしています。

列車の数も極端に少なくなったり、乗り継ぎが悪くなったりしますのでここは気を付けて。なにしろ、今回は札幌まで帰らなくてはいけない設定なので、大変なんです。。。

でもご心配なく。

室蘭から、札幌まで直行便があるんです。しかも各駅停車。3時間の行程は、疲れた体にはちょっとキツいですが、もうとっくに切符で元は取っているのでここはガマンです。

室蘭発20時10分。これに乗車すると、今日のスタート地点でもある札幌に23時9分に到着します。でも乗り換えもないですし、車内で寝てしまっても終着駅ですから問題なさそう?ですね。

私も、今日の長旅の疲れか、満腹中枢のおかげが、いつの間にか夢の中に旅立っておりました。

ZZZzzzzz……

さて2週にわたってお伝えした道央のんびり旅、いかがでしたでしょうか。
各駅停車を乗り継ぐ、という達成感もありますし、ぐるっと一周した満足感もありました。見どころもたくさん、山も谷も海も川もたくさん見ることができました。

北海道の四季を感じるには、こういったのんびりの移動もいいと思います。北海道の移動を考えると、もちろん車がメインになりますし、車でしか行けない土地もあるのも事実。でも、車では決して見ることのできない風景が見られたことも確かでした。

広い北海道、やっぱり時間をゼイタクに使ってのんびり巡るもまたよいものです。
紅葉の季節になったら、初雪が降ったら、雪がとけたら、夏本番になったら、というように季節の変わり目にまた来たいと思える今回の旅でした。

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またね。

★今日ご紹介の場所(ポイントをクリックすると場所が表示されます)

 

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